コラム つむぐ

2020.8.31 (Mon)

「愛知県の事業承継」

愛知県の事業承継において、第三者承継が意外に少ないという話を聞きます。
 
愛知県には、自動車、工作機械をはじめ名だたる企業が、生産のサプライチェーンを築き、平成30年度の愛知県の「製造品の出荷額等」は、48兆7,220億円(従業員4人以上の事務所)で第一位。

ちなみに第二位の神奈川県は、18兆4,431億円なのでぶっちぎりで、しかも42年連続第一位という記録付きである。これほどの製造業が集積していれば、後継者に困っている経営者が多そうだが、そうはなっていない。
 
ひとつには、愛知県民の気質として親から受け継いだ事業を他人に渡すのを良しとしない矜持みたいなものがあるのと、機密漏洩を防ぐため、親会社がグループ内での継承を進め、マッチングサイトに「譲渡希望先」としてなかなか出てこないことがあるようだ。
しかしながら、前者は兎も角、コロナ禍で親会社の売上が激減したら、二次受け、三次受け業者の受注も影響は受け、親会社にもすべてをグループ内でマネージする余裕はなくなるだろう。

円高、リーマンショック、米中貿易摩擦など数多くの難局を乗り切ってきた愛知県の製造業だが、世界規模で移動そのものを否定するコロナ禍は、別次元の難局と言っていい。それは、また愛知県の製造業の将来を左右する試金石でもある。
 
アドバイザー
 

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