コラム つむぐ

2020.9.23 (Wed)

「市場最大の決断」

久しぶりに「史上最大の決断」(野中郁次郎著 ダイヤモンド社)に目を通してみた。

同著は、経営者の愛読書として常に名前が挙がる名著である。内容は、第二次世界大戦下、既にフランスを降伏させたヒトラー総統率いるドイツ軍を敗退に導いた「ノルマンディー上陸作戦」に纏わる話を記したものである。史上最大とあるのは、決して失敗が許されない状況で、史上類のない物量を動かし成功に導いたところにある。具体的に話そう。

作戦が実行されたのは、1944年6月6日。当日だけで英米軍を中心に将兵13万名が、9000名近くの死傷者を出しながらもノルマンディー海岸に上陸し、1万4000台の各種車両が運び込まれた。言うまでもなくこの作戦はドイツ軍に日時、上陸地点は決して事前に知られてはいけないもので、計画から実行まで2年2カ月を費やした。

最終的に作戦は2案に絞られた。ひとつは、ドイツ軍の防衛は厳しいがドイツまでの距離が短く、リスクはあるが短期決戦型のノルマンディー上陸と、もうひとつはドイツ軍の防衛は厳しくないが、ドイツまでの距離がある地中海上陸の2案である。早くドイツを降伏させ、太平洋で日本軍との戦いに参戦したいアメリカのルーズベルト大統領と、枢軸軍の攻勢を一手に引き受けていたソ連のスターリン共産党書記長は前者を、既に戦後を見据えソ連が影響力を及ぼすであろう東欧に牽制を入れておきたいイギリスのチャーチル首相は後者を主張した。

連合国軍の最高司令官には、能力、実績とも申し分ないマーシャル(後に国務長官、ノーベル平和賞受賞)だと思いきや、彼の部下のアイゼンハワー(後に第34代合衆国大統領)が就任し、マーシャルが全面的に彼を支え作戦を成功に導いていく。アイゼンハワーは、人懐っこい性格で皆に愛されるキャラでカリスマ性とはほど遠く目立った武勲も無かったが、実は繊細な知性の持ち主で比類なきリーダーシップを発揮する等など。

昨今、世界中でデカップリング、自国優先が騒がれる中、深まる秋の夜長に何かを感じさせる1冊になればと思い、紹介させて頂きました。

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